プロフェッショナルリズム・行動科学

よき医療人になるためには、医学知識・臨床技能・臨床技術の修得はもちろん、人間性、説明責任、職業倫理の確立と尊重が求められます。岡山大学医学部では、1年次〜5年次まで一貫してプロフェッショナリズム・行動科学教育を行っています。

授業の概要

プロフェッショナリズムⅠ

医学の道の入り口に立った学生として、「人生・生涯」とは何かについて自ら考えると同時に、グループ討議を通して互いに学びます。また、患者さんからの講義を通して患者視点から医療を考える機会を持ちます。

行動科学Ⅰ

自身の行動を常に問いかけ(省察)、自分や他者の行動を分析し、改善された行動(行動変容)を学びます。スモールグループディスカッション(SGD)や全体発表、職場研修を通して他者(同僚や教員、職場研修で接する人々)や組織(学年クラス、大学、社会など)をより深く理解します。

プロフェッショナリズムⅡ

言語・非言語のコミュニケーション技術、ケア技法およびユマニチュードの理論を学びます。SGDでは命を支える現場のケースシミュレーションを通して臨床現場での問いへのアプローチを学びます。医療面接実習では模擬患者との医療面接を実体験します。

行動科学Ⅱ

医学研究を行うにあたり認識しておくべき研究倫理を、ディスカッションやミニレクチャーで学びます。遺伝性のがん患者さんの語りを通して、臨床倫理について学びます。

プロフェッショナリズムⅢ

効率のよい情報検索の実践とEBMの理論、行政の視点から社会を対象とした医師の役割、医師のキャリアパスや世界の医療、臨床推論の基礎についても学びます。

行動科学Ⅲ

人の心理を中心に学びます。SGDを通して、多様な価値観と考えがあることを体感し、どのようなコミュニケーションが有効か、実践を通して学びます。

プロフェッショナリズムⅣ

ナラティブメディシンの基礎及びその知識を基にしたワークショップを行います。また、臨床現場での患者さんとの出会いと学びについて、講義とディスカッションを行います。

行動科学Ⅳ

「医療現場でのコミュニケーション」をメインテーマとし、「行動変容」と「チーム医療」を中心にロールプレイとミニレクチャーで学びます。また、多職種連携に関する理解を深め、医師とメディカルスタッフからチーム医療の実際について学びます。

プロフェッショナリズムⅤ

臨床実習中の自身の経験や遭遇した医師・スタッフの態度、言動を客観的に(患者、スタッフ、同僚や、医学生の立場から)分析・内省していくことによってより良い医師としてのプロフェッショナリズムを学習します。

行動科学Ⅴ

臨床実習中の「モヤモヤした症例」について、文化人類学・社会人類学的な視点で振り返ります。臨床実習開始後の医師としての姿勢、全人的医療の実践、終末時の話し合いや死・その悲しみについて学びます。学生自身がどのように医師として成長するのか、自己と向き合い深く考える時間を設けます。